市の区画整理の敷地で、住宅街にあってもいかに快適で開放的な暮らしを実現できるかがテーマでした。 クライアントから内部空間にパティオのような吹抜けが欲しいとの要望でした。また家事をしながら子供たちが遊んでいる様子が分かるようにしたいとの事でした。 外観に於いては人柄を考慮した力強いオリジナルの菊間瓦で屋根を葺き、この瓦は弊社にも使用しています。外壁は経年変化で味が出る左官仕上げにしています。 内部吹抜け空間は明るくするために隣地境界側に目隠し塀と硝子屋根を屋外に設けた事により大きな開口部から均質な採光と気持ちの良い空間の広がりを実現しました。 その空間を挟んで食堂台所と居間を配置したので小さなお子様がどこで遊んでいても様子を伺うことができます。建具には一緒に徳島まで行って選んだ大きな和紙を使用し、目に優しい感じにしています。居間には調理もできる薪ストーブを設置し、見た目にも暖かな空間づくりを実現しています。 また道路側のテラスは、軒が深くなるように屋根を延長し居間の延長として 空間の広がりを感じさせ、周囲の環境からは想像のできない憩いの場を実現しています。 またこの住宅も全ての弊社建物に共通している事ですが、家全体が南北の風の通り道になり、吉田兼好が徒然草で書いた「家のつくりようは夏を旨とすべし」のように計画しています。